ゴルフを始めたばかりの方がクラブ選びで迷うポイントのひとつに、「シャフトの重さ」があります。アイアンを選ぶとき、ついヘッドの形状やデザインに目が行きがちですが、実はシャフトの重さや硬さもスイング安定性や上達スピードに大きく影響します。
この記事では、初心者が失敗しないためのシャフト選びの考え方や、軽めスチールシャフトのメリット、重めシャフトのリスクについて分かりやすく解説します。アイアンセット全体の選び方については【初心者向けアイアンセットの選び方】でも詳しく解説していますので、併せてご覧ください。
1. シャフト選びがゴルフ上達に直結する理由
アイアンはコースで最も使用頻度が高いクラブです。セカンドショットからアプローチまで、プレー中に50回前後も使用することがあります。そのため、スイングしやすくないシャフトを選んでしまうと、振りにくさからフォームが崩れ、正しいスイング軌道を覚えるのが難しくなります。
逆に、自分に合ったシャフトを選べば、振りやすさにより正しいフォームが身につきやすく、反復練習もしやすくなります。初心者にとって、クラブの性能を引き出す前に「スイングを安定させること」が上達の近道です。
2. 軽めスチールシャフトのメリット
初心者におすすめなのは、軽めのスチールシャフトです。代表的なモデルには「NSPRO 950GH」などがあります。軽めスチールの特徴は以下の通りです。
- 振りやすい:重量が控えめなので、腕や体幹への負担が少なく、スイングリズムが自然に身につく
- 疲れにくい:長時間の練習でも疲労が溜まりにくく、フォームを崩さず反復練習ができる
- フォーム習得が効率的:ボールを打つ回数が多くても、シャフトが軽いためスイングを意識しやすい
軽めスチールは特に、若くてこれからゴルフをしっかり続ける意志のある方に向いています。重すぎず、軽すぎず、バランスの良いシャフト選びが、初心者の上達を助けます。
3. 重めシャフトを選ぶリスク
一方、重いシャフトを選ぶと、初心者は振り切れずスイングが崩れやすくなります。代表的なモデルには「ダイナミックゴールド」などがあります。重いシャフトの特徴とリスクは次の通りです。
- 体力や腕力が必要:スイングの最後まで振り切るには、ある程度の筋力が必要
- フォームが崩れやすい:力任せに振ることでクラブの軌道が不安定になり、ミスショットが増える
- 反復練習がしにくい:疲れやすく、練習回数が減ることでスイング習得も遅れる
スポーツ経験者や競技志向の上級者を除き、初心者は重めスチールよりも軽めスチールやカーボンシャフトの方が扱いやすく、上達が早くなります。
4. 軽めシャフトで反復練習するとフォーム習得が速くなる
軽めシャフトのもう一つの大きなメリットは、反復練習との相性です。疲れにくいため、長時間の練習でもフォームを崩さず繰り返し打つことができます。
繰り返し打つことで、スイングリズムが安定し、ミスヒットが減り、自然と正しいフォームが身につきます。初心者がスイング軌道を体に覚えさせるには、振りやすいシャフトでの反復が不可欠です。
5. メーカーや書籍の推奨
日本の大手メーカーも、初心者向けアイアンセットには軽めスチールやカーボンシャフトを推奨しています。
- タイトリスト:初心者向けセットには軽めスチールを標準採用
- キャロウェイ:初心者が振り切れるシャフトを中心に設計
- ダンロップ:軽量スチールで安定したスイングをサポート
また、ゴルフ専門書でも「初心者は振り切れるシャフトを優先して選ぶべき」と記載されており、クラブ設計やスイング習得の経験則に基づく信頼できる指針です。
6. まとめ
初心者がシャフト選びで失敗しないポイントは以下の通りです。
- 軽めスチールシャフト(NSPROなど)を選ぶ
→ 振りやすくフォーム習得が早い - 重めシャフト(ダイナミックゴールドなど)は無理に選ばない
→ 振り切れずフォームが崩れる可能性あり - 反復練習しやすいシャフトを基準に選ぶ
→ 上達速度が相対的に早くなる - アイアンセット全体の選び方は【初心者向けアイアンセットの選び方】で確認
まずは軽めスチールで慣れ、必要に応じて重量や硬さを変えていく。最初から無理せず、自分が振りやすいクラブで反復練習を重ねることが、ゴルフ上達の一番の近道です。